2016年10月31日月曜日

<FPコラム> 100万円あったら、どう運用する?

All About 提供:FPコラム)

お金の置き場所が重要

運用に回せるお金が100万円にあったとしたら、どのように分ければいいか、パッとイメージできますか?「さっぱり見当がつかない」という人もいることでしょう。運用するお金の分け方を考える前に、まず「お金の置き場所」を確認しましょう。お金をどのような口座に置くかによって、使い勝手や税金が異なってきます。

お金を置く口座には、さまざまな種類があります。一番身近なのは銀行口座でしょう。「もう1つ持つならネット銀行!使い勝手がいい理由とは?」で紹介したように、銀行口座は生活口座と貯蓄口座に分けるのがオススメです。

ほかには、証券口座がありますね。とても基本的なことですが、株式を買うには証券会社に口座を開く必要があります。証券口座は収益に対する税金のかかり方で、通常の課税口座と、一定額まで非課税のNISA口座に分かれます。非課税で投資ができるNISA口座は、日本に住む20歳以上の人であれば、1人1口座持つことができ、年間120万円の元本に対する配当金、分配金、値上がり益が非課税となっています。 課税口座は所得税と住民税を合わせて20.315%の税金が差し引かれて手取りは約8割になりますが、NISA口座は非課税で収益をマルマル受け取ることができるのです。非課税の期間は5年間。最大600万円まで利用でき、投資をしたいのであれば使わない手はありません。なお、NISA口座は貯蓄口座として使っている銀行口座と連動させて使うと、お金の移動が便利ですよ。

また、今後のライフプランも要確認。数年以内に使う予定のお金があり、増やすより減らさないことを重視するのであれば、その分は銀行の貯蓄口座で定期預金に。当面使わず、将来に向けて増やしたいお金は、NISA口座に入れて運用してみてはいかがでしょうか。このような観点から、お金の置き場所を考えて整理していきます。


増やしたいお金の賢い預け方

生活口座の普通預金や、貯蓄口座の定期預金には、合計して最低でも生活費の3か月分のお金を確保しておきたいもの。これが準備できている、あるいはこれまでしっかり貯蓄を積み上げているのであれば、貯蓄口座や証券口座のお金は、ある程度リスクをとって運用してもかまいません。

個別株式を購入するには情報収集が必須となり、ある程度まとまった時間が必要になります。現実問題、日々忙しく活動している人であれば、気軽に分散投資ができる投資信託が候補になるでしょう。

投資信託は運用会社が運用方針を決め、国内外の株式や債券などを複数購入して分散投資する仕組みの金融商品です。メリットはプロに運用を任せられる点ですが、その代わり購入時や保有中に手数料がかかるため、事前にしっかり確認しておきましょう。

前述しましたが、投資信託を買うのであれば収益が非課税になるNISA口座で。SBI証券など証券会社によっては、NISA口座の投資信託は購入時の手数料を無料にしているところもあります。


株式と外貨の比率がポイント

さて、ここからは運用するお金の分け方です。投資信託を買う際に考えたいことは、株式の比率と外貨建て部分の比率です。たとえば、100万円あるのであれば、25万円ずつの4等分で、国内債券、国内株式、海外債券、海外株式に投資する方法があります。

この4つの資産に分散投資を行うと、日本のみならず世界マーケットにお金を分配していることにつながり、リスクを抑えながらも収益を狙える可能性があります。株式市場や外国為替市場は、時に予想外の値動きをしたり、大きく動いたりすることがありますが、そのようなときも1つの資産に偏っていなければ、負の影響を少しでも減らすことができます。

これを基準にして、もっとリスクを減らしたいのであれば海外株式を減らして国内債券の比率を増やす、逆に積極的に運用したいのであれば国内債券と海外債券を減らして、国内株式と海外株式を増やします。株式の比率が高まるほど、外貨建て部分の比率が高まるほど、リスクは高くなりますが、リターンも期待できます。

なかには「4つの資産を購入すること自体面倒」という人もいることでしょう。そんな人にも朗報があり、購入時そもそも4つの資産に分散されているバランス型投資信託が存在するため、ぜひ検討してみてください。

いずれの場合も一度で大量に購入するのではなく、何度かに分けて少しずつ購入していくのがポイント。投資信託の価格は、組み込まれている株式や債券、外国為替の値動きにより毎日変動します。購入の時期・タイミングを分けたり、ずらしたりすることがリスクの軽減につながるのです。こちらも時期を分けて購入するのが面倒であれば、定期的に自動購入する積み立て方式をオススメします。




口座と中身のメンテナンスを忘れずに

投資を始めると値動きが気になって、毎日評価額をチェックしてしまう人がいるかもしれませんが、値動きは変動するため一喜一憂する必要はありません。かといって、ほったらかしもダメ! 1か月に1回など定期的に評価額を確認して、分散の割合がこのままでいいのかなどを検討しましょう。ネット銀行であれば、いつでもリアルタイムで残高の確認ができ、便利ですね。資産を横断的に確認したいのであればスマートフォンの家計簿アプリ「マネーフォワード for 住信SBIネット銀行」などを使ってみましょう。

私自身「こんなに便利に資産運用できるとは!」と感じており、かつてのことを思い出すと隔世の感すらあります。最先端のテクノロジーが可能にした金融取引を上手に使って、しっかり資産形成してくださいね。

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坂本綾子プロフィール
1級FP技能士、日本FP協会認定CFP、ファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所代表。
雑誌のマネー専門記者として20年超にわたり、金融機関、投資家、一般消費者、経済ジャーナリスト、著名FP等を数多く取材。1999年ファイナンシャルプランナー資格取得。
2008年より情報サイト「オールアバウト」マネーガイド。
2010年にFP事務所を設立し、執筆に加えて、家計相談やセミナー講師も行う。著書に『最短距離で貯める!銀行口座メソッド』などがある。