2016年10月31日月曜日

<FPコラム> 知っておきたい「定期預金だけ」の落とし穴

All About 提供:FPコラム)

定期預金の仕組み、きちんと知っている?

お金を貯めたいときの、もっとも身近な金融商品といえば銀行の定期預金ですね。知っているようで、意外と知らないその仕組みをまず把握しておきましょう。

普通預金は、いつでも預入でき、いつでも引き出すことができますが、定期預金は1か月、3か月、6か月、1年、3年、5年など期間を決めて預けます。金利は通常普通預金より高く設定されており、金利をどの程度にするかは各銀行が決めます。これを固定金利といい、預入時の金利が満期まで適用されます。

満期が来たらどうするか、事前に決めておくこともできます。自動継続を指定すると、同じ期間の定期預金に自動的に再度預け入れられます。その際、ついた利息を元金に足して継続することを元利継続、利息は普通預金に入れて元金のみ継続することを元金継続といいます。利息を使う予定がないのであれば、元利継続にしておくのがオススメ。自動継続の指定がない場合、元金と利息が普通預金に入金されて終了します。受け取った利息は所得の扱いになり、合計で約20%の所得税と住民税が差し引かれ、利息の手取り分は8割ほどになります。

たとえば、1年の予定で預けたけれど、急にそのお金が必要になった場合はどうすればいいのでしょうか?心配する必要はなく、定期預金は中途解約することができます。その場合も元本割れはありません。ただし、利息は中途解約金利が適用となり、減ってしまうのでご注意を。

定期預金を利用する際、手数料はかかりません。低金利の現在、大きく増えることは期待できないけれど、元本割れのリスクがなく、預入時に受取額がわかる点で安心な預け先といえるでしょう。


ネット銀行は定期預金の金利が高い

少しでも高い金利の定期預金を利用したいのであれば、ネット銀行を選択するといいでしょう。通常時でも都市銀行や地方銀行と比較すると高く設定されており、ボーナス時期は期間限定のキャンペーンでさらに高くなることがあります。

インターネット上で手続きして預け入れできるネット定期は、ネット銀行の代表的な商品。まとまったお金があり、少しでも有利に預けたいのであれば賢く利用したいですね。ただし、定期預金を利用する際は次の点に注意が必要です。




定期預金にも実はリスクがある

安全な金融商品の代表格、定期預金にも実はリスクがあるのです。それは、ずばり「インフレリスク」。たとえば、いま1万円で買えるものも1年後までに2%のインフレが起きれば、1年後の価格は1万200円に上がります。預金金利が1%と仮定すると1万100円にしかなっておらず、同じものを買おうとしたとき、お金が足りない状態に陥ってしまいます。

日本では物価が下がるデフレが長く続いていますが(IMF公表日本の2016年インフレ率予想は-0.2%)、これを解消するため日銀は2%のインフレ目標を設定して金融政策を行っており、「そんな2%のインフレなんて起きるわけが……」ともいっていられないのです。


インフレ対策になる金融商品は?

では、インフレ対策には、どのような金融商品が適しているのでしょうか? 過去のデータから、株式や株式を組み込んだ投資信託は物価の上昇を織り込んで値上がりしていく性質があるといわれています。また、インフレが起きると通貨価値が下がり円安傾向になるため、外貨預金外貨建ての金融商品はその恩恵を受けやすくなります。


「定期預金+α」で自分のお金を守る

人生何が起きるかわからず、いつでも引き出せる円預金を一定額確保しておくことが重要です。もし日常生活で必要なお金を除いても余裕資金が捻出できそうであれば、インフレ対策として、定期預金以外の金融商品も検討してみましょう。どうしても元本割れがイヤであれば、円の仕組み預金であれば、元本保証で通常の円定期預金よりも金利が高くなります(ただし、預入期間を選べず、原則中途解約は不可。満期まで持てば元本保証ですが、中途解約すると大きく元本割れする可能性も)。

元本は保証されず変動しますが、株式や投資信託、外貨建て資産を持てば、インフレ時、保有資産の実質価値下落を防ぐ効果が期待できます。お金が増えることを期待するだけではなく、守るという観点からも「定期預金+α」で金融商品と付き合うことを考えてみましょう。

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坂本綾子プロフィール
1級FP技能士、日本FP協会認定CFP、ファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所代表。
雑誌のマネー専門記者として20年超にわたり、金融機関、投資家、一般消費者、経済ジャーナリスト、著名FP等を数多く取材。1999年ファイナンシャルプランナー資格取得。
2008年より情報サイト「オールアバウト」マネーガイド。
2010年にFP事務所を設立し、執筆に加えて、家計相談やセミナー講師も行う。著書に『最短距離で貯める!銀行口座メソッド』などがある。